隊員が集まった。
挑戦するのは、グリセードである。
隊員スギヤマは、数日前、山関連のショップに足を運んだ。
「アイゼンが欲しいんですが・・」
ハイハイと対応した店員が、
アイゼンを初めて買おうとする客に質問する。
『どちらに行かれるんですか?』
「グリセードに」
答えとしては、ピント外れな答えである。
ここで・・・
グリセードがよくわからない方の為に、しばし考察。
《急斜面の雪の壁を、一本の棒と、
靴を履いた足だけで滑り降りるワザ》
スキー場の最上級コースの急斜面を、無防備に滑り降りる。
許されるアイテムは、
木の棒。
口から泡を噴きそうに興奮しながら、
石丸探検隊が待つ谷川岳に駆けつけた、スギヤマ隊員!
そこで彼が、目にしたのは・・・
マウンテンバイク
「これで行くんですか、隊長?」
グリセードを滑る《芝倉沢》の起点までは、
たらたらした林道を
2時間半歩かなくてはならない。
そこまで、自転車で行こうと考えたのだ。
誰が?
私と滝田君が。
6年前、行きにこのコースを、ふたりで
2時間半歩いた。
芝倉沢にたどり着き、沢を頂上まで登り、
グリセードで下り、
最後に、
2時間半歩いて帰った。
合計5時間。
はっきりいって、疲れた。
グリセードどころでなかった。
ならば、短縮しよう!
ってんで、マウンテンバイクを利用することにした。
チャレンジ選手は4人。
目がランラン、喜々としている。
その沢がどんなに過酷か知らずに、出発前の夢あふれる姿。
こうでなくっちゃ!