
「こまめな水分補給を」
毎年聞かれるこの時期がやってきた。
私は、この言葉に従えない。
山に登ったり、スポーツをやっている時は、もちろん従っている。
しかし、ドラマの撮影中には、困ってしまう。
こまめな水分を摂る=汗になる
簡単な図式ができあがり、汗まみれの衣装を着ている私となり、
それダメでしょうとなる。
こまめな・・どころではなく、
朝、水分を控えめにしておかないと、
やはり大汗の原因になる。
それどころか、前日のビールだのの水分量すら、影響してくる。
「ゆんべ、グビグビ呑んだんじゃないの?」
露骨に非難されかねない。
そこで、ドラマの現場では、
水分の補給を限りなく少なくする努力がいる。
とはいえ、飲まないという絶水は身体がまいる。
そこで・・・
《なめる》
カップに入った水をなめる。
犬のようなピチャピチャなめをする。
舌と唇を潤して、余分な水は吐き出す。
絶対量はコレで相当少なくなる。
しかし、不思議なもので、ほとんど水を飲まなくても、
汗は順調にでてくる。
どこに溜まっているのか分からないが、出る。
ドバッと出ないので、事なきを得ているが、
安心して、ガブリと水を飲んだ日には、
プールに跳びこんだ状態に、シャツが出来上がってしまう。
「アンタ、ゆうべグビグビ・・」