キャンプを初めてしたのは、いつだろう?
親に連れていかれた記憶はない。
中高生の時代でもない。
大学で上京した東京時代である。
17才。
コレをキャンプと呼んでいいのかどうか・・
埼玉県の山中、テントを張って星空を眺めていた。
なんでそんな事をしていたのか?
「○○彗星が、接近しています」
テレビで、今夜、流星群が観られると煽られた。
スワっ
慌てて、下宿アパートをとびだした。
背中には、リュックに簡易テントが積まれている。
電車で、なるべく山奥に行ける駅まで行った。
改札を抜け、日が暮れるまで、山の稜線を目指した。
どんよりとした日暮れ。
山の上で、テントを張った。
初めてのキャンプと呼ぶには、いい加減。
そりゃそうだ。
無計画でとびだしたので、食料や飲料は、
ほとんど持っていない。
コンビニも、ペットボトルも無い時代。
水も、お茶も売ってなかった時代。
水筒に入れた水と、パン屋で買い求めた食パンが、
今夜の食料だ。
テントを張るペグを、カナヅチで打ちながら、空を仰ぎ見る。
う~ん、曇っている。
気象情報も確かめずに、出かけた。
とはいえ、その当時(45年前)気象情報を知るすべがなかった。
いつか晴れるのではないかと、首を空に向け、
食パンの耳をかじりながら、
初キャンプを満喫していたのであった。
《狐のボタン》