
部屋に、何の電化製品が来たら嬉しかったか?
一人で住むようになって、最初に買った電化製品は、
《冷蔵庫》
大学時代の春に上京したのだから、夏に向かう学生として、
暑さ対策が急務だった。
冷たいものを保存する冷蔵庫は、憧れの対象だった。
冷蔵庫さえあれば、文明人なのだと、自覚できた。
「えっ、テレビじゃないんですか?」
その質問は、正しい。
正しいが、テレビは、食堂やレストランで見ることが出来た。
「えっ、洗濯機じゃないんですか?」
この質問も正しい。
しかし、洗濯は、今でいうコインランドリー、
つまり、銭湯に洗濯機があった。
「えっ、暖房機じゃないんですか?」
こいつは、困った質問だ。
やがて秋になり冬になる。
暖房器具は必須アイテムに違いない。
しかし、青春とは、熱いカタマリだ。
真冬の寒さなど、なにするものゾ!
どうしても寒い夜は、布団の上に重いテーブルなどを乗せて、
ごまかしたものだった。
したがって、最初に欲しかった電化製品は、
《冷蔵庫》なのである。
では・・・
その後の貧困時代。
役者として何者でもなかった時代。
年収のほとんど無かった時代とでも言おうか、
その時代に、欲しかった電化製品は何だったか?
明日、その答えを・・・