キャンプ地の傍の、山の中に分け入ってみたら、
アケビの群落を見つけた。
アケビとは、ツル科の植物で、他樹に絡まって伸び、
秋に薄紫色の実をつける。
柿などの実と同じように、最初は緑色をしているが、
だんだんマダラに色付き、最後は紫色になり、
どこか一か所が、パクリと縦に割れ、
中の、種が見えるようになる。
種は、黒く小さく、その周りの、
真綿のような白く柔らかいモノに包まれている。
アケビは、子供の頃の好物だった。
なんせ、めっぽう甘く、
甘いものが無かった時代の最高のおやつとなっていた。
しかし・・・
大人になって、こいつをパクリとやると、
あまりの甘さに、目がくらむ。
甘すぎるかもしれない。
ゆえに、ここはひとつ、アケビ料理を造ってみよう!
まずは、皮のテンプラだ。
中身を取り出し、皮を細かめに刻み、油で揚げる。
アツアツの奴を口に放り込む。
フグフグ
うう・・苦い。
ゴーヤ的な苦みがする。
ポン酢に付けてみたら、やや苦みが薄れた。
いずれにしても、大人の味だ。
成功とは言いがたい。
次は、煮びたしにした。
食った。
苦い。
苦みが消えない。
ええい!
今度は、中華あんかけにしたゾ!
どうだ?
中身のタネが苦いじゃないか!
よおし、ならば、
タネを取り出し、甘い白い部分だけを濃しとって、
あんかけに混ぜたゾ!
以前、料理屋でアケビの料理を食べた事が何度かある。
苦みは、さほどなく、上品な和食だった。
洋食屋では、バターを使った作品も食べたが、苦みはなかった。
う~~~む
困ったゾ・・
アケビを採った時には、ワ~イワ~イとぬか喜びして、
創作料理が楽しみだったのだが・・・
私は、このままアケビに屈するのだろうか?
アケビ採り名人 依田パパ