山中でアケビの群落を見つけ、採ってきた私。
アケビ料理に挑み、その皮の苦さに、苦り切っている私。
眉間にシワを寄せて、考え込んでいる。
なぜ、アケビの皮がこんなに苦いのか?
この
アケビの形状に何か、その訳が潜んでいるのではないか?
形状;
見た目は、芋である。
太いソーセージとも言える。
試しに、真ん中あたりを輪切りにしてみると、
丸の中の一か所に、小さい丸がくっ付いている。
小さい丸に当たるのが、種いりの甘い部分。
あとは、何もない空間が占めている。
ここは、アケビのつもりになって考えてみよう。
「
私は種を鳥に食べて貰ろうて、
どこかで糞をして貰わなければならんの。
その為に、種の周りの白いモノを甘~くしちょるの。
じゃあけんど、甘くなる前に皮が破られると、困るケ、
皮をにが~くしちょんのヨ。
ほってナ、中身の種んとこが甘~くなったら、そん時、
パックリ切れ目が割れて、鳥がついばみ易くしてやんのヨ」
このアケビの語りが正解かどうか定かでないが、
皮の苦さの説明にはなっている気がする。
『種が成熟しないかぎり、鳥に食べられない』
よく出来た仕組みだ。
ひとり娘がいる家庭のお父さんが、
超のつく厳格オヤジであったりするのと似ている・・・?