東京は、四谷駅にあるエスカレーターだ。
ホームに至る階段代わりに設置されている。
よく見ると、右側と左側の横幅が、違う。
向かって
左側の方が広い。
左側とは、電車が着き、乗客がドっと降りてきて殺到する側だ。
この駅では、常にドッとが、繰り広げられている。
特に、朝のドッとはラッシュの極みだ。
四谷駅だけではない。
首都東京のラッシュは、とんでもない。
ドッとの洪水だ。
地方から出てきて、最初にこの
ドッとに遭遇すると、
泡を噴きそうになる。
自分が行くべき方向が分からなくなる。
人の流れに流され、行きたくない方向に誘導すらされる。
乗りたくない電車に乗らされたりする。
乗ったはいいものの、降りたくても降りれなかったりする。
都会で、こんな遭難をしても、救急ヘリは来ない。
ゆえに、初めて出てきた際には、
ラッシュだけは避けなければならない。
「んなバカな」
なめてかかっていると、都会は怖い。
四谷駅のエスカレーターを見て、勉強した方がいい。
「この微妙な広さの差が重要なのか?」
しかし、朝のラッシュ時に、確かめに行ってはいけない。
驚いている暇もなく、アナタはどこかに連れ去られる。
テレビもねえ、ラジオもねえ 津軽の朝霧