「かいきょうどん、下さい」
津軽半島のさきっちょ、竜飛岬の最もさきっちょに、
食堂がある。
観光客用というより、
地元の方たちの憩いの場的な雰囲気がある。
大概の観桜客は、見晴らしの良い、
丘の上のレストランなどに流れるようだが、
私のように、ふらふらと道を間違った人がやってくる。
その方はラッキーだ。
「海峡丼てのは、何ですか?」
『海鮮丼だわな』
おばあが応えてくれる。
う~む、答えとしては、解明したような、しなかったような・・
「海鮮ラーメンてのは?」
『時間がかかるがええかのう?』
う~む、違いは何だろう?
『お茶は、そこにあるじゃぁえ』
「はい、自分でいれます」
結果、海峡丼には充分満足した。
海鮮ラーメンも、とてもおいしかった。
さて、お勘定。
海峡丼 2000円。
海鮮ラーメン 1000円。
この違いは何だろう?
どちらにも、海峡に棲む新鮮な魚たちが、盛られていた。
海鮮ラーメンは時間がかかるらしく、労力もいる。
だのに、半額。
よくよく見ると、ラーメンには、蟹も入っている。
丼にはない。
だのに、半額。
検証すべく、食後の舌と喉の余韻を確かめてみると、
海峡丼には、マグロが入っていた。
それも、
大間のマグロ!
きみか・・・
きみが、値段を跳ね上げていたに違いない。
ブランドの実力は、こんなところで発揮されている。
店のおバア猫