
ホテルに備え付けられている湯沸し器。
電熱器とでも云おうか・・
この装置の湯の沸くスピードは、驚くほど秀でている。
家庭・・
我が家にあるどの温熱家電製品を、すべからく凌駕している。
ここに、カップ麺がある。
コレに投入するべく量(より少しだけ多い量)の水を、
ホテル備え付けのポットに入れる。
スイッチを入れる。
どうせ湧くまでに時間がかかるだろうと踏み、
パソコンの電源を入れたりする。
すると・・・
パソコンが立ち上がるより遥かに早い段階で、
ポットが騒ぎだす。
ゴトゴトゴト~
パソコンに、暗唱コードを打ち込もうとしている時に、
バコバコバコバコ~
沸騰しているではないか!
とんでもなく早い!
セッカチで売っている人間が、あまりの早さに、
たじろいでいる。
例えば、我が家で、ガスだのIHIで、
こんなに早くお湯が沸くだろうか?
沸かせるだろうか?
無理だ。
となると・・・こんなに早く沸かせるように、
あえてホテル業界全体で開発したとしか思えない。
セッカチな仕事人(わたし)たちを満足すべく、
家電業界にかけあったに違いない。
「ガチャっと置いたら、ブクブクっとなってネ!」
「3分待ちなさい」と言われて、カップラーメンを食べた時代から、
時は流れて、
「待たなくてもいい」の時代が到来しかかっている。
将来的には、カップ麺の湯が、10秒以内で湧くだろう。
今、10秒と言ったが、1秒かもしれない。
食べる側にとって、箸も割れない時間である。
となると、カップ麺だって進化し、
《お湯を注いだらすぐ!》
CMが見られるかもしれない。
よし、こうなったら、食べる側も進化しようじゃないか!
100m走、9,98の、
おそるべく記録を出した桐生選手にならうべく、
態勢を整える。
カップ麺を目の前に置いて、クラウチングスタートのポーズをとり、
右手にポットを持つ。
「準備して・・」
「用意・・・」
・・・
ドタン! (台に置く)
ボコボコボコ (瞬時、湯が沸く)
ジャ~~ (湯をそそぐ)
あふあふ、ジュルジュル、ふごふご、ウグウグ、ぷっふぁ~
「イシマル選手、アッという間に食べ終わりました!
おっと、記録・・・9秒97!
日本最速記録が出ましたあ~~~~~!」