
登山で、先頭を歩くのは誰だろうか?
リーダー、若手、その山の経験者・・?
わが探検隊の場合、
登り始めは、
背の高い者と決めてある。
なぜか・・
《クモの巣払い》
早朝、山にわけいってゆくと、真冬でないかぎり、
クモが巣を張っている。
太陽を背にして歩くと、巣は見えにくい。
「アレ~」
巣のえじきになり、奇声を発している。
そこで、折りとった木の枝などを振り廻しながら、
先頭の者が登ってゆく。
しかし、いつもいつも振り廻している訳にはいかない。
当然、山中に奇声を発する場面がくる。
この人物が、皆の中で、最も背の低い者だった場合、
蜘蛛の巣をスルーしていく時がある。
すると、二番目の者が、奇声を発する。
この無駄な巣がかりを、なんとかするべく定めたルールが、
先頭はチームで一番背の高い者・・という訳だ。
たまたま、ちょいと高かったというだけの理由で、
先頭を任され、
時折、道を間違って皆に非難のブーイングを浴びたりする。
「隊長、お願いしますヨ~」
なぜか私が、先頭役が多い。
だから、一度の山行では、3回ほどは、巣にかかり、
甲高い悲鳴をあげている。
悔しいので、時折、少しだけ背の低い滝田くんに、
先頭を代わってもらう。
するとどうだろう・・?
しばらく順調に歩いていたと思ったら、
奴がヒョイと屈むではないか!
「ちょっと待て!おい滝田くん、
今、クモの巣を屈んで避けなかったかい?」
何のために、先頭を歩いて貰っているのか自覚か足りない。
「おい、又かがんだだろ!」
『わるい、つい・・』
ヒエ~~!
結局、私が悲鳴をあげている。