ごはんのおかわりの問題をどう考えているだろうか?
『どうぞ、おかわりして下さいナ』
14才(中学3年)の頃、ひとのウチに下宿していた。
両親が、おかわりを遠慮してはいけないとおもんぱかり、
大きな茶碗を下宿先に届けてくれた。
ところが・・
朝食の箸をもつけんじろう君。
大きな茶碗にしっかり盛られた一杯目は、ペロリと食べ終わる。
「おかわり下さい」
『はいはい、いっぱい食べてネ』
二敗目も、ゆっくりながら食べ終わる。
なんとなく、もう少し食べたい。
この量だと、昼の給食まで、もたない様な気がする。
しかし・・・
「おかわり下さい、
半分で結構です」
『はいはい、
半分ネ』
と言って持ってこられた茶碗には、さっきと同じ量のごはん。
大きな茶碗には、普通の茶碗の倍の量が入っている。
(ボク的には、この3割~4割が適量なんだけんどな)
だからと云って、残す訳にはいかない。
頑張って食べるしかない。
食べた。
ゲフゥ~くるしい。
ベルトを緩めながら、学校に行くことになる。
満腹なのだが、一時間目の授業は、目を白黒しているだけだ。
翌日。
反省して、二杯でやめた。
すると、やはり、昼前に腹が減って、勉強に身が入らなかった。
翌日。
言葉を代えてみた。
「おかわり下さい、
少しだけ」
『はいはい、
少しだけネ』
出てきたごはんは、高く盛られていた。
翌日。
「おかわり下さい、
ほんのちょこっと茶碗の底に」
『はいはい、
ほんのちょこっと茶碗の底にネ』
出てきたごはんは、うず高かった。
以後、私の朝ごはんは、二杯しか食べる事ができず、
いつも昼前の授業は、ボ~としているのだった。
こういうのを、言葉にすると何と云うのだろうか?
遠慮するのをおもんぱかるとでも云うのか?
忖度に近いこの行為は、
いまだに日本の家庭で行われている気がする。
我が国古来の美しい習慣ではあるのだが、
うまく対応できずに苦しんでいる子供たちもいる。
いや、子供だけじゃない。
つい先だって、旅先で、
「ほんの軽くちょこっと」
と差し出した茶碗。
返ってくるや、どっかと大盛り!
大人も泣いている。
イワシの干物を造った