「新幹線って、ものすごく速いナ」
新幹線が速いのは分かっているアナタに訊いてみたい。
最近、《のぞみ》ではなく、《こだま》に乗るべく、
駅のプラットフォームで、待っていた事あります?
例えば、JR東海でいえば、《掛川駅》かけがわえき。
まさに《こだま》に乗ろうとして、ベンチに腰掛けていた。
すると・・・
遥か遠くで、コスるような音が聞こえ始めたと思う間もなく、
突然、目の前に、
ゴ~~~~~~~!
白い巨体が通り過ぎた。
何に例えたらいいか、今頭をしぼっている。
巨象をはるかに超える、マンモスが数十頭、
気が狂わんばかりの速さで、目の前を通り過ぎた感覚だ。
びっくりした。
いつも、新幹線の客席で、本を読んだり、
眠くなったり、ぼんやり外を眺めているのだが、
外から改めて見てみると、
とんでもない物体移動が行われている事実に驚く。
しかも・・・
そのマンモス達が、2~3分おきに、
コッチ側からも、ソッチ側からも、ひっきりなしに
やってくる。
その度に、
ガ~~~~~~~~~~!
写真を撮ろうと、慌ててカメラを取り出したものの、
その時間は、一瞬だ。
16両編成が過ぎる時間は、たったの3~4秒たらず。
マンモスたちが、
たらずで、疾走する。
轟音の名残だけが、《こだま》しか止まらない駅の客、
私の目ん玉を、見開かせている。
そうだった。
最近、《のぞみ》しか乗っていなかった。
新幹線の内部からしか、見ていなかった。
駅を通り過ぎるその
凄まじいスピードと重量を、
感じていなかった。
ふむ・・
便利という名の文明を、思いっきり享受する気なら、
新幹線の《こだま》しか停まらない駅のプラットフォームで、
しばし、立ち尽くしてみるのも手かもしれない。
蒸気機関車の運転席 赤いひじ掛けにヒジを乗せてみたい