メバルとの相性はいい。
これまで、テレビの釣り番組で、
メバル釣りに、2回出させてもらったのだが、
どちらも、思いのほかを乗り越えて、
わんさかと大きなメバルが釣れ上がった。
特に、瀬戸内海の瀬戸大橋の下で釣り上げた一荷(いっか)は、
29センチクラスが、鯉のぼりのように舞い上がった。
「いっか」とは、
一度の竿揚げに、二匹以上釣れ上がる意味である。
そして先日、東京湾に繰り出した折にも、「いっか」をやった。
どうやら、メバルに好かれている。
眼がギョロリとしているところに親近感が湧くのかもしれない。
メバルは、
煮つけにすると旨い魚であるのは、知っている。
アレは旨いだけでなく、骨から身が離れやすいので、
食べやすさも加算されて、
それが「旨い」に繋がっていると思われる。
当然、釣れあげたその夜、刺し身もさることながら、
煮つけを造った。
汁の中で黄金色にギラギラと輝くその身は、
箸でつまむと、見事なまでの身離れを演じてみせてくれる。
4~5回も箸の上下をすれば、残ったのは骨だけになる。
子供に、魚の骨の絵を描いてごらんと言えば、
「こんな絵をかくだろう」
と言わんばかりの骨の残骸が皿に残る。
生前の姿を知っているからこそ、いとおしい骨となる。
その残った骨にお湯を注ぎ、一杯の珠玉のスープとなる。
メバルさん、アナタの身は、私の身となり骨となり、
いつか再び、アナタにまみえるべく、船上の人となるでしょう。
メバル刺し身