《打率を下げる努力》
ベースボールの話である。
打者の話である。
打者とは、イチローであり、大谷だ。
彼らは、ただ目の前の打席で、
ヒットを量産しているだけではない。
「打たない努力もしている」
もし、ここに、超能力者がいて、
全打席ヒットを打てるとしよう。
すると、どうなる。
当然、ピッチャーは敬遠、敬遠の連続となる。
打率10割の打者に立ち向かうハズがない。
たとえ、打率3割の打者でも、肝心の場面では、
勝負しない。
よもや打率4割打者に、まともに投げてくれない。
っとすると、その4割打者は、
この苦境をどうやって乗り越えるか?
答は、簡単だ。
「わざと、失敗する」
つまり三振。
つまり、ボンフライ。
失敗を見せつけるのである。
結果、打率が下がる。
大リーグはじめ、日本のプロ野球でも、データ重視、
数字が大手をふってまかり通っている。
その数字を、疑似操作するのである。
失敗したフリをして、打率を下げる。
打率が下がれば、相手ピッチャーは、勝負してくれる。
さすれば、肝心な場面で、ヒットを打てる。
そうだったのだ。
我々は、大谷が凡退する場面で、嘆いている。
しかし、嘆く必要はない。
アレは、わざと打ちそこなっている。
わざと、打率を低くするべく努力をしている。
いつか、ここぞという場面で大きな仕事をする為に、
自らを貶めている。
「私は、打率が低い打者ですヨ~」
「ど真ん中投げても、打てませんヨ~」
いいかえれば、擬態を演じているのである。
そして、哀しさは、
擬態を演じている事を、
自らが発表できないことだ。
誰かに、公に喋って貰いたいのだが、
その事すら公表できない。
公表した時点で、策略がバレてしまう。
ああ~かなしい・・