最近泊まった山小屋での食事中の会話だ。
アラ70のおじさま達が、山の話をしている。
「女性たち3人組は、よく喋るねぇ~」
『おお、喋る喋る、急坂でよくあれだけ喋られるねぇ~』
「ハアハアとかしないんかのぅ~」
『わしら、はあはあして口もきけんのに』
その割には、標高差1200mを登ってきているオジサンたち。
「ひとりで登っている女の人は、速えなァ~」
『速ぇ速ぇ!アッちゅう間に追い抜かれるわい』
そう、私もそう思う。
あっという間に追いつかれ追い越される。
しかも、70リットルのリュックを背負っていたりする。
おそらく20キロの重さがあるだろう。
すごい!
「わたしはネ、ストックを2本から1本に減らしたんだナ」
『おれはまだ、2本のままだけんど、なんで減らした?』
「重いんだヨ、2本だと」
すると、端っこに座っていた元気そうなオジサンが・・
「わたしはネ、あんなモンは使わない。
杖を使うようになったら、わたしは山はやめる!」
毅然と言い放った。
かのオジサンは、ストックを
杖と呼び、
あんなモンとも呼び、
あくまで、二本の脚で登ると主張している。
杖に頼って登っているから、足がなえるのだと、言っている。
この主張は、ある意味正しく、
主張するだけの気概に満ちている。
その背筋の伸び方に、拍手をおくりたい。
ただし・・
かのオジサンには、将来、杖を使ってでも、
山に登っていただきたい。
杖と言われたが、アレは、
バランスを保ち、
自らの脚力をさらに上げてくれるパフォーマンス向上に、
役立つアイテムなのですヨ。
日本300名山の歩き通しにチャレンジしている、
田中陽希氏だって、ダブルストックで登っている。
むしろ若いひとほど、ストックで登っている。
とはいえ、かのオジサンは、杖は買わないだろうなぁ~
這ってでも、登るんだろうなぁ~
いいなあ、あの背筋の伸び方!
お馬鹿の高あがり