「コレ失ったら、すべてパーだ!」
この言葉、どう思いますか?
意味が分かったアナタに問うてみたい。
「パー」って何ですか?
今、横にいた滝田くんが答える。
「パーってのは、全部なくなるんだから、パーだヨ」
『んだから、そのパーは何?』
「ナッシングでしょ」
『わかった、じゃあ改めて訊く、パーは何語?』
「うぐっ」
『うぐ語じゃなくて、何語?』
「パー語」
『はいはい、君はそっちで朝飯食ってなさい』
オジサンは、何かというと、パーを使う。
オジサンの作家でさえ、パーを使っている。
さっき読んでいた百田尚樹の《逃げる力》にこう書いてある。
<会社辞めたら、ここまで十年、二十年と苦労して、
登りつめてきたのがパーになりますから、
到底受け入れられないというわけです>
この文面から推測すると、
パーとは、
「すべて無駄になる」
「差し引きゼロになる」
「ジャンジャン」
「ふりだしに戻る」
となる。
そこまでは、わかった。
では、誰がどこで、この言葉を使いだしたのだろうか?
パーで、最初に頭に浮かぶのは、
ゴルフのパー。
プラスでもマイナスでもない状態を表現している。
次に浮かぶのは、
ジャンケンのパー。
手のひらをひらいて、皆に見せている。
したがって、「私は何も持っていない」
つまりゼロの状態・・
もう一つ浮かぶのは、関西で、
特に吉本で、
「おまえ、
パーちゃうんかい!」
アホかいなと、口から泡をとばしている。
毎週、吉本新喜劇では、
「パーちゃうんかい!」
これが聞ける。
座長の内場勝則(うちば)さんは、甲高い声で高らかに~
「パーちゃうんかい!」
っとここまで振っておきながら、吉本の話は忘れてほしい。
今日の、パーの探求から外れてしまう。
他にも説はあるだろうが、アナタの説は何だろう?
「パー」
私もつい最近使った。
パソコンに取り込んだ、写真が・・
あれれ?
打ち間違いで、一瞬で消えちゃった。
その時の、首を垂れたようなつぶやきが・・
「あっちゃっ、パー」
塔ノ岳の山小屋 尊仏山荘にて