18才のけんじろう君
「若い時はヨォ、オジサンが有利だヨォ~」
我らが役者の世界、あるいは、スポーツの世界、
はたまたアナタの仕事の世界に共通する真実かもしれない。
『オジサン』とは、見た目もさることながら、
精神的なオジサンである。
(え~と、オバサンとも言えるのだが、今は忘れて欲しい)
同世代の皆が認めるオジサンである。
『あいつ老けてるなぁ~』
そう、そのオジサンである。
例えば、『老けてるなぁ~』と言われた彼。
実は、20才。
同年代の中では、確かに老けている。
しかし、所詮20才。
本物のオジサンからすれば、ネタは割れている。
見透かされている。
今述べたこの言葉がキーワードとなる。
《
同年代の中では》
同い年なのに、自分より10才くらい老けてみえる彼。
彼の容姿と言動は、仕事的には有利にはたらく。
役者を例にあげてみよう。
小学3年生の子供を演じている子役の実際の年齢は、
たいがいの場合、小学6年生である。
実際の年齢にやらせても、セリフの意味が理解できないことが多い。
きちんとモノが分かった年齢に役をやってもらう。
同じことが、その上の年齢でもおこる。
その昔、近藤正臣は、ドラマ「柔道一直線」の中で、
中学生を演じていたのだが、その時30才。
このでんでいくと、名優と呼ばれる方たちは、
総じて、若いころからオジサンであった。
10才どころか、20才くらい上に感じられた。
誰とは指摘しないが、「ああ~あの方ネ」
と思い浮かべて貰えると、話が進展しやすい。
その方たちは、50才くらいになると、
やっと見た目に年齢が追いついてくる。
そして、追い越されてゆく。
最初からオジサンだったので、いつまでたってもオジサンなのだ。
そのオジサンと私の比較が面白い。
あるとき、そのオジサン(世界的な)役者と、
若いころ同級生という設定の役があった。
その若いころ、二人で写っている写真を合成すると言うので、
20才の頃の写真を持ちよったのだが・・・
彼は、さほどの変貌をしていない。
しかし、私の当時の写真を見たら、
スタッフが開口一番。
「コレ、誰ですか?」
結局、合成は無理ということになり、
私に似た若手の俳優の写真を撮った。