先日、尾瀬の高み、
燧が岳の頂上で汗をぬぐっている時だった。
みるみる内に、下界が雲海に包まれた。
さっきまで見えていた尾瀬ケ原が、真っ白い雲に覆われた。
ふと、東の方角に目をやった。
すると・・・
アレはなんだ?
雲海からニョキっと峻立している岩峰があるではないか!
そそり立っている。
明らかに、今立っている場所より高い。
東北で一番標高が高いと言われている燧が岳より高い。
どういうこと?
調べた。
地図で調べた。
すると、東の方に、2578mという山が見つかった。
《日光白根山》にっこうしらねさん
栃木県なので、東北ではないが、この辺りで最も標高が高い。
私は、山の案内書で、この山を見つけたのではない。
誰かに勧められたのでもない。
自分の目で見つけたのである。
山とは、
《山の上から、見つけた山》
これが嬉しい。
あくまで、山の頂上から自分の目で見つけるのが、
最高の発見である、
「あの山はなんだろう、あの山に登りたいナ」
これが、一番である。
そしてその時、こう思ったのだ。
「あの
デビルマウンテンは何という山だろう?」
デビルマウンテンとは、映画『未知との遭遇』で登場した、
アメリカの、直立した岩山だ。
とても、登れそうにない岩峰だ。
両手の親指と人差し指で、四角形をつくり、
額縁に、日本のデビルをはめこむ。
そうすると、頂上にいたる稜線の角度がわかる。
「すごい!60度を超えている」
登山道はどうなっているのだろう?
ゾクゾク感がわきあがり、想像がふくらむ。
よし、行くぞ!