
サーフィン競技に、《ファウンダーズカップ》がある。
この競技は、サーフィンの中でも、特殊なもの。
完全なる人口の波をつくる。
大きなプールをこしらえ、完璧なチューブの波をつくりだす。
どうやって、波をつくるかと云えば、
プールの横に、雪国のラッセル車のような巨大なマシンが走り、
水をかきわけて、波をつくりだす。
長い間、サーフィンをやってきた人たちが、
波というモノを知り尽くし、その考察から生まれた波である。
「それって、自然じゃないじゃ~ん」
そのとおりだが、気にしない。
パーフェクトの波で、どれほどのパフォーマンスができるのか?
観客の目は釘づけになる。
では、ウインドサーフィンにそんなモノはないのだろうか?
実は、ある。
いやあった。
10数年前、世界のアチコチで、
《室内ウインドサーフィン大会》なるものが催されていた。
40×80mほどのプールをつくり、
プールサイドに大量の大型扇風機を並べる。
スイッチを入れると、風速10メートルほどの強風が吹き荒れる。
競技は3つ
4人でコースを回り、速さを競う
《スラローム》
一人づつジャンプ台から跳び出し、パフォーマンスを競う
《ジャンプ》
平水面で様々なテクニックを競う
《平水面トリック》
室内であるから、照明がたかれ、音楽な鳴り響き、
観客はおおいに盛り上がる。
都会のど真ん中でも開催できるので、
ウインドサーフィンを見たこともない客も、手を叩いて喜ぶ。
日本でやるとしたら、どこだろうか?
我々ウインド仲間は盛り上がった。
おそらく、東京お台場のフジテレビ前の海岸じゃないだろうか?
室内ではないが、テレビ中継にはうってつけ。
さあ、いつ開かれるか・・首を長くしていたのだが、
実現しなかった。
自然のスポーツを人工でやる。
オリンピック競技にもそんなモノがある。
カヌーは、まさに人口の流れをつくり、戦っている。
人工壁を使う、クライミングは最たるモノだ。
考えてみれば、陸上トラックの、《3000m障害》なんて、
ほぼ完ぺきな人口物ではないだろうか?
本来、原野を走るべきなのに、人口バーや小さな池を、
バシャりと泥水撥ねとばしながら、グルグル回っている。
すべては、観客の気持ちを考慮して、人工物が造られている。
・必ず、開催される。
・間近で観られる。
・選手が平等に戦える。
そして、現代的には・・・
・テレビ放映がしやすい。