
学習できない事項がある。
これまで、何度もやったのに、又やっちまった間違いである。
「熱いのでお気を付けください」
ドンと出されたのは、
《石焼きビビンバ》
真っ黒な石の器の中に、ビビンバが入っている。
コレが危ない。
あまりにも熱いので、湯気というモノが出ていない。
したがって、熱さを演出するモノが何もない。
危険信号のない物体である。
なぜか、その真っ黒な器を、つい持ち上げたくなる。
韓国料理というのは、器を持ち上げてはいけない。
文化なのだから、従うべきだ。
しかし、日本の食事文化として、つい器を持ち上げようと、
手を差し伸べる。
すると・・
ジュッ!
ひえ~~~
ユ・ユ・指がジュッって言った!
ねぇねぇ、ジュッって言った!
慌てて、指をテーブルに最初に出されたグラスの水に突っ込む。
うぅうぅぅぅ~
分かっていたじゃないか。
石焼きビビンバの真っ黒な器は、絶対触ってはいけないと・・
なのに、なぜか、触りたくなる。
黒イコール冷たいとのイメージなのか、
熱い事実を忘れてしまう。
出来れば、溶鉱炉のような、
赤い石にしていただければ、
私の危機管理部門が発動して、絶対に触ることはないハズ。
そしてさらに悲しいことに、
私の、ジュッの愚行を笑いながら見ていた対面に座った仲間が、
「ちょっと食べさせて」
とばかり、手を差し伸べた。
もちろん、その真っ黒い物体に・・・
『やめろ!』
の言葉が届くその前に、
ジュッ!