
カバンを買った。
コレは、カバンを替えたと同意語だ。
ビジネスマンが好みそうな、
ポケットが大量にあるカバンだ。
その、大量という所が気に入った。
アッチもコッチもソッチもどっちも、
ポケットだらけ!
(最後の
どっちもは、ついでに言ったので気にしないで下さい)
これだけポケットがあれば、私物が住み分けできる。
私は仕事用カバンに、過度な要求をしている。
ひとつひとつの物が、
どこにあるか分かるように、入れてある。
なおかつ、封をする為にある、
チャックだのが一瞬で見分けられるようになっている。
さらに、
目をつぶっても、取り出せるようになっている。
私のカバンは、言ってみれば、マンションである。
大家の私が振り分けた、分譲マンション。
広い入り口ポーチを通り抜ければ、
小分けした部屋が並んでいる。
大部屋の中には、さらに、小部屋もしつらえてある。
いちいちジッと、止め具で部屋を閉め切ったりしている。
あるいは、下着入れの網々の部屋があったり、
又は、細長くして、ペン入れに使ったり・・・
今、カウチでポテトをほお張りながら、本を読んでいるとしよう。
「そうだ・・メガネが欲しいな」
手をカバンにのばす。
ゴソゴソやる。
この時に、読んでいる小説の世界から外れずに、
メガネを見つけなければならない。
その為には、我がカバンのすべての配置を、
完璧に認識していなければならない。
「のど飴が欲しいナ」
手前のチャックをあけて、奥の右側の小部屋の底にあるハズ。
これをいとも簡単に施行しなければならない。
今、小部屋大部屋を数えてみた。
全部で、19部屋。
チャックの鍵がかかる部屋は、6。
マンション経営の大家としては、充分納得のいく数字である。