ジャカルタの競泳を観ていた。
今や、テレビ中継では、水中カメラは必須になっている。
あれは、どなたの短歌だったか、
《水鳥が水面を移動していく姿は、おだやかで美しいが、
その水面下では、足が非常に激しく動いている》
と、詠まれていた。
この歌を思い出しながら、さらに私は、
沖縄の、
ちゅら海水族館を頭に浮かべていた。
でっかい水槽の外に立ち、マンタやジンベイザメを眺める。
この水槽の中で、水泳大会が開かれないものだろうか?
観客席を水面下につくる。
水鳥の動きのほとんどは、水面下にある。
水泳選手の手足の動きは、水面下こそ見るべきものがある。
選手自体も、視線は水面下で戦っている。
ただただ青い底を見つめながら、
歓声の聞こえないブクブクの泡の中。
(イルカのように泳ぎたいナァ~)
ならば、
観客席も水面下にあってもいいのではないか!
テレビではなく、現場の臨場感を感じたくて、会場プールに向かう。
そこで、今以上に臨場感を味わうには、水面下席が欲しい。
プールサイドという言葉があるが、
文字通り、水面下のプールサイドである。
プールの両側に席を作れる。
もう東京オリンピックには間に合わないだろうが、
どこか一か所くらい、そんなプールがあったら嬉しい。
初島