ホレがっさん!
と、月山の麓にやってきた。
そこはスキー場である。
それも夏スキーのためのリフトがある。
早朝の登り始めのため、まだリフトは動いていない。
ひと汗かいたところで、急に眼前がひらけた。
擂り鉢状の谷間に私はいる。
どうやらココが、スキー場となるらしい。
足元は木道。
高山植物保護のため、木道のみを歩いてゆく。
首を270度グルリと廻してみるのだが、
色鮮やかな緑の草原がひろがっている。
はるか遠くに登山客が数人歩いている。
500mほど離れているだろう。
お互いが、みな見えている登山だ。
登るにつれ、樹木の黄色と赤が目立ってきた。
頂上に向かう稜線で、あたり一面の紅葉に囲まれた。
わあ~、おお~
歓声があがっている。
空は、どこまでも蒼く、雲ひとつない。
さして急登のない山道が、月山の特徴かもしれない。
なんと面白く美しい山だろう。
なぜ今まで来なかったのだろう。
なんとなく、オカガミ餅のような形のイメージに騙され、
足がなかなか向かなかった。
しかし、山は来てみなければ分からない。
登ってみなければ分からない。
オカガミ餅なんかどこにもないゾ。
頂上からのミニ縦走の、なんと素晴らしき眺め!
下山後、今登ってきたばかりなのに、
すぐに登りたくなる山も珍しい。
白夜の国だったら、ふたたび登り始めたに違いない。
頂上から見つけた《月山湖》
がっさんこ
気になった。
声に出して読んでみよう。
「ガッサンコ」
はい、繰り返して、
「ガッサンコ、ガッサンコ!」
昨日の「カリコマコゲン」といい、
「ガッサンコ」といい、このあたりは宝の山である。