
《新ショウガ》
新ショウガは飲み屋などで、出される。
ショウガという作物が、その上の部分がどうなっているかを、
提示してもらえる。
「はは~ん、こうなっていたのか」
吟味しながら、茎の部分を片手でつかみ、
甘味噌などにこすりつけ、ガブリとやる。
ヒエ~~
カライっ
ショウガの刺激を、辛いと表現するのも、
正しいかどうか難しいのだが、
その瞬間は、辛いと感じる。
ところで、この新ショウガは、食い物的に、
どの分野に属するのだろうか?
つまみ?
嗜好品?
調味料?
少なくとも、腹を満たすモノではない。
ガブリとやると、しばしの間、舌がしびれる。
のどの辺りも、ビリビリくる。
刺激の逆説的な旨さに、ガブリガブリと、
二本三本、食い散らかす。
散らかした残骸を眺め、ふと、胃袋の心配をする。
こんな刺激の強いモン、ガツガツ食っていいのだろうか?
さっきから、何本もガブリとやり、
口内がヒィーヒィー悲鳴をあげている。
ハッカを食い過ぎたレベルではない。
今、「火を噴け」と言われれば、噴けるかもしれない。
ゴジラの切ない気持ちがわかる。
(なんだ、ゴジラの気持ちって?)
少なくとも、
「
ショウガを食い過ぎて亡くなった」
と聞いた覚えはない。
この言葉に押され、
「もう一本いこうかな?」
又、手をのばす。
ハア~~~~~~~

月山ののどかな山並み