
《究極の晴れ男》
いまだ続行中である。
この数年、いくたあまたの雨の日を回避してきた。
ロケと名の付く撮影に日には、私が行くと晴れる。
最初は信じなかった人達も、考え方を改めざるを得なかった。
「この一週間、雨続きで・・」(沖縄 渡嘉敷島)
そんな場所に私が行くと、晴れる。
飛行機がランディングする時まで、雨が降っている。
タラップを降りると、虹が立ちあがる。
ロケが終わり帰ろうとすると、
ザ~~その後一週間、土砂降り
「いや~梅雨時に来られてもねぇ~」(三陸)
しかめ面で、鈍い反応の地元の方達。
私が着いたとたん青空が広がる。
傘が要らなくなる。
「今日は、豪雨予想なので撮影は中止です」(和歌山)
一応7時集合という事で、衣装メークをすませ、私が向かうと、
あれよあれよ・・太陽がカンカンに!
そして、今回。
「台風が接近しており、3日間90%の雨確率です」
それを聞いた私・・ふふふ
台風だろうがなんだろうが、私が行くのだ。
雨が降る訳がない。
この確信を抱いて胸をはって、現地におりたつ。
雨ガッパを来た暗い顔のスタッフの出迎えを受ける。
「では参りましょうか」
車で現地に向かう。
なんせ、雨のロケほどのらない仕事はない。
暗い顔もうなづける。
はじめのうち、動いていた車のワイパーが、
やがて間欠の動きになり、ついに動きを止める。
「アレッ、やみましたヨ、雨?」
皆が首を傾げる。
台風で、豪雨、数百ミリとテレビで脅されていた地域。
「アララ、お日様が出てきましたヨ」
予定どうり、晴れた。
ただの晴れ男ではない。
《究極の晴れ男》である。
今、私は、いばって胸をはって、ふんぞり返っている。
鼻がピノキオになっている。
ふと・・ピノキオの映画の挿入歌、
ルイ・アームストロングが歌うあの歌が浮かんできた。
《星に願いを》
映画《未知との遭遇》のラストシーンで流れる曲である。
♪~私の空はいつも晴れている!