
《朝食バイキングの並び方》
朝、ホテルの朝食会場に真っ先にゆく。
まっさきと思ったら、先人が数人並んでいる。
よほどの腹減り人間か、仕事が忙しい方たちと思える。
「どうぞ~」
時間となると、大勢がぞろぞろと会場になだれこむ。
トレイを持つ。
すると・・
日本人の習性なのか、きちんと並んで、
端から順番に食べ物をとってゆく。
どこにも「並んで下さい」とは書かれてないのだが、
自然と並ぶ。
梅干し、納豆、卵焼き、焼き魚、湯豆腐などなど、
30種類以上。
そして、味噌汁にご飯、
野菜サラダに、ヨーグルトに果物。
最後にジュース、コーヒー、牛乳。
ええいコレも!とカレー。
一人ひとりが、順番にこれらの物をとってゆく。
そうすると、渋滞がおきる。
皆がすべてのモノを取る訳ではない。
おそらく、ひとりひとりは半分ほどしか手をつけない。
その間、
無駄な待ちをしている。
理由は、並んでいるからだ。
皆が一列に整然と並んで取ってゆくと、
バラバラに好きなモノを取ってゆく場合の、倍以上の時間がかかる。
(きちんと測った訳ではないが)
現に、ホテルによっては、アトランダムに好きなモノだけを
とる仕組みになっている所もある。
そこでは、とても早く食事が始められる。
ただし、いつも並んでモノを調達している習慣の方には、
《割り込まれた》感が起こるのだろう。
「ちょっとぉ~並んでヨ!」
額にシワを寄せることになる。
場所が広くとれないビジネスホテル系の食事会場では、
朝一番に、この戦いが繰り広げられている。
むしろ並ばないで取る方が、皆が早く食事が出来るのだが、
割り込むという感覚が嫌いな方には、なじめない。
デタラメ感を好まない方にも、いやがられる。
「私はコーヒー待ってるの!」
コーヒー機械の横に牛乳と3種類のジュースが置かれてある。
コーヒー待ちの方しか、そこに立つことができない。
渋滞がおきている。
そお~と牛乳に手を伸ばそうとすると、
「すみませんけど、並んでください」
やんわり叱られる。
かくして、15分並んで食物を奪取し、
3分でたいらげ、仕事へと出かけるのであった。