
久々に、我が家の裏で、ガビチョウが鳴いている。
お日様が登る前に、大きな声でやかましく鳴く。
ガビチョウとは、《画眉鳥》と書き、
特定外来生物に指定されている。
本来日本にいなかった鳥で、いては困る鳥である。
日本の
侵略的外来種ワースト100に、堂々と選ばれている。
ところが、この鳥の鳴き声があまりにもユニーク。
誰かに話しかけているとしか思えないような鳴き方をする。
ウグイスやオオルリ、サンコウチョウのマネをしたりもする。
春から夏の早朝、私の目覚まし時計は、画眉鳥である。
たぶん同じ個体だと思うのだが、かまびすしい鳴き声で目を覚ます。
声量がデカい。
訴える力も強い。
選挙演説のような迫力にうたれる。
起こされた私も力をもらう。
さて、夏の暑さが通り過ぎた昨今。
いつのまにか画眉鳥の声が聞かれなくなった。
忘れていた。
そんな今朝のこと・・・
おお~画眉鳥が鳴いているではないか!
しかし・・なにかおかしい。
声にハリがない。
あの夏の頃、どちらかといえば、
パピプという、
クラリネットに似た音色を奏でていたのに、
今は、
バビブという、濁点がついたメゾサックスに変わっている。
若者がおじいちゃんになった感がある。
あっという間に、年をとったのだろうか?
同じ歌をしゃがれた声で歌う画眉鳥。
訴える言葉は同じなのに、どこか哀愁がただよう。
この冬は越えられるのだろうか?
越えさえすれば、あのクラリネットは戻ってくるのだろうか?
樹の上の選挙カーから、私を叩き起こしてくれるだろうか?
「
ネエネエ聞いて聞いて、
ボクこ~んなに元気なんだヨ、
こ~んなに楽しいんだヨ、
みんなおいでおいで、
集まってみんなで歌おうヨ!」