
おやっ?
山に向かう舗装道路に、キジがいるではないか。
それも珍しく、
オスが2羽。
オスが2匹いる場面を初めて見た。
キジの複数目撃をした事はほとんどない。
よもや・・オス。
季節は、秋。
メスを獲得する時期を過ぎている。
なのに、オスが2匹。
ふと、やつらの会話が浮かんできた。
「よぉ~彼女できたのかぁ~?」
『いないんだヨォ~君はぁ~?』
「できないんだよぉ~」
『なんでかなぁ~?』
「ボクら、声が悪いんかなぁ・・クエェ~って鳴くだろ」
『うん、クエェ~って鳴く』
「
ホ~ホケキョとか言う奴いるじゃん」
『いるいる』
「
カッコウとか言う奴もいるじゃん」
『いるいる』
「あいつら、ズルくないか」
『うん、たぶんズルい』
「ボクらもマネしたよな」
『うん、マネした』
「ホーホケキョと鳴いてみたよな」
『鳴いたけど、出た声はクエェ~だった』
「カッコウと鳴いてみたよな」
『鳴いたけど、クエェ~だった』
「・・・ボクら、モテなかったんだ」
『・・・もてなかった』
「彼女・・できなかったんだ」
『彼女・・できなかった』
「仕方ない、何して遊ぼ?」
『走る?』
「うん、走ろ!」