
浅間山の西側にその山はある。
《籠の登山》
はい、何と読みましたか?
素直に読むと、
かごのとざんとなる。
しかし、実際は、(
かごのとやま)と言う。
お手紙では、
「籠の登山に登山に行ってきました」
と使う。
地元の人ならば、「かごのと山」に行ったとすぐに分かるが、
他では、通じない。
通じないどころか、
「籠の登山に行ってきました」
籠に乗って山に登ったのかと驚かれてしまう。
お殿様みたいなことをしているんだなと、
眉間に皺を寄せられてしまう。
さあ、そんな誤解をしたまま、登山口にやってきた。
《あさま2000》というスキー場に出発点がある。
遠望すると、なだらかで熊笹の草原を登るイメージが湧いた。
ところが・・
山は登ってみなければ分からない。
実は、岩のやま登山である。
岩稜地帯を、えっちらおっちら登ってゆく。
ナメたらいかんゾ、諫められながら歩いてゆく。
岩の色や形、土の色を見ていると、
この山が、浅間山の外輪山の一部なのだろうと感想が浮かぶ。
そして・・
頂上から見おろした時だった。
あそこに噴火口跡のような盆地があるじゃないか。
広い平原があるじゃないか。
あそこに行け!
と、いわんばかりに見事な紅葉が輝いているじゃないか!