
キャンプ場で目が覚めた。
そこは、浅間山の麓。
「そうだ、今日は浅間山に登る日だ!」
薄暗い中、空をみあげる。
雲がどんより立ち込めている。
雲高が低い。
雨が降りそうな気配すらある。
「ダメかぁ~」
気を落としかけた。
(まてよ・・)
しばし漂う雲を眺めていた。
濃淡がある。
すこしだけ車で高度をあげてみよう。
200mほど高度をさかのぼった。
すると・・・
雲に切れ目があるではないか!
「おっ、アレは・・外輪山の頂上が見えているゾ!」
そうだったのか。
この雲は、低い層雲で、1500mを越えたあたりより上は、
晴れているに違いない。
平地の気象と山の気象は、まるで違う事が多い。
テレビの天気予報で、長野県佐久市が曇り雨と出ていても、
山の上は秋晴れだったりする。
「今日が、まさにソレじゃないのか!」
すぐに、準備をして、登山口に向かう。
はたして・・・
標高2000mにある登山口は、真っ青な空で出迎えてくれた。
見おろせば、町並みは雲の下に沈んでいる。
あの時、諦めたら、この快晴登山はできなかったのだ。
浅間山(あさまやま)と云えば、
ズングリとしたおまんじゅうの様な姿を思い浮かべる人が多い。
遠くから眺めれば、当然、そういう感想となる。
おまんじゅうの、まあるい曲線の部分を、
登っていくのだろうと思ってしまう。
実際、以前の私は、そう思っていた。
丸くなった富士山的な登山だろうと思い込んでいた。
ところが・・・
山は登ってみなければ、分からない。
浅間には、外輪山がある。
それも二重になった外輪山。
我々が、町から見ていたのは、そのほとんどは、
浅間外輪山だったのだ。
その内側にとんでもなく大きな窪地が存在し、
夢のような美しい世界が広がっているなどと、だれが想像できよう。
よもや、秋の紅葉の季節は、驚きの連続である。
うぅぅ・・紙面が尽きた、また明日。