
《体重計》 たいじゅうけい タイジュウケイ
この言葉が憎い人たちがいる。
常にダイエットに励んでいる人達だ。
特に女性は、ほとんど、タイジュウケイが憎い。
なぜ憎いのか?
それは・・・
体重計に乗るたびに、気分が重くなるからではない。
体重計のメモリを見て、涙ぐむからではない。
《体重計》という単語の響きが嫌いなのだ。
体重の事を、ことさらに強調してくれる言葉が嫌いなのだ。
たいじゅう タイジュウ
出来れば、
生涯聞きたくない単語ベスト3に入る言葉。
そもそも、重量を測るのは、重量計と言ってたではないか。
いつの間に、体重計になったのだ!
「体重もはかっていいヨ」
この柔軟性が、我らに悩みを生ませた。
では、どうすればいい。
簡単な手立てがある。
この際、マシンの名前を変えてしまおう。
《減量計》 げんりょうけい ゲンリョウケイ
はなっから、
減量の為のハカリだと強調する。
減量する為のハカリ。
《減量計》と聞いただけで、減量したような気になる。
気持ちが軽くなる。
「よし、今日は随分歩いたから、減量計にのってみよう!」
やる気になる。
そして、この減量計・・
こんな製品を出してほしい。
前回に乗った時より、軽い表示が出た時だけ、
「体重が減っています!」
カーナビの女性の音声をマネて、喋ってくれる。
体重が変わらなかったり、増えた時には喋らない。
前回より、減った時だけ、呼びかけてくれる。
さらに・・1キロ減った時には、こんな言葉が流れてくる。
「激ヤセしています!」
ましてや・・2キロ3キロ減っていたら!
「危険です、ただちにご飯を食べましょう!」

トカゲだ