
《酸素カプセル》
一時間、1000円でどうぞ~
ホテルのロビーに、あの酸素カプセルが設置されていた。
身体にも脳みそにも良いという様な事が書いてある。
ほお脳みそ・・
台本を覚えるのにも良いのだろうか?
すぐに申し込んだ。
60分間コースを選んだ。
マンホールをぶった切ったようなカプセルの中に入る。
ガチャリッ
外からドアを閉められる。
中から開けられないような構造になっている。
パニックになって、開けたら急に気圧が変わるので、
危険なのだろう。
ブイィィィ~~ン
すぐに加圧が始まる。
耳の鼓膜が、反応する。
どんどん加圧され、10分ほどで、1,3気圧に達する。
鼓膜は何度も耳抜きを強いられる。
よし、とまった。
空っぽのペットボトルをあえて持って入った。
今や、ペッコリと凹んでいる。
しかし、3000mの山の上から持って帰ったボトルよりは、
凹みが小さい。
考えてみれば、空気が薄い場所に行く経験は、
(山の上など)あまたあるが、
気圧が高い場所に行った経験はない。
空気が濃い。
ふ~~む・・
実感はない。
薄い場合は、「ああ~薄いなあ」と分かるものだが、
濃い場合はよくわからない。
そう云えば・・・
富士山に登った折のこと・・・
だんだん薄くなる空気を感じながら、山頂に達し、
万歳をし、さあ、降りようと一気に高度を下げた。
すると・・降りるにしたがって、
どんどん空気が濃くなるのが分かったのである。
五合目に下ると、
肺に入ってくる濃度の濃い空気が実にうまかった。
さらに、河口湖まで下ってきた時には、
ねっとりと肺を満たす、めまいがするほどの酸素に、
ありがたみを覚えたのである。
高山病とは、空気が薄い所に行った時にかかる病である。
では、その逆はあるのか?
チベットの歌姫、歌手のバイマンヤンジーさんはその昔、
4000mの高原チベットから日本にやってきた。
その時、あまりの空気の濃さに、めまいを起こしたのだそうだ。
逆高山病とでも言おうか、酸素の必要以上の濃さに、
気持ちが悪くなったようだ。
で、酸素カプセルはどうだったか?
う~んとね・・なんかよくわからんかった。