
昔々の話で申し訳ない。
といえども、さほど昔ではない。
たかが47年前に過ぎない。
東京都内に映画館がいくつかあった。
ロードショーを掛ける映画館ではなく、
新作からしばらく経過した、3本立ての映画館がいくつもあった。
料金は200~300円。
《ヒマワリ》
《シェルブールの雨傘》
《昨日そして明日》
毎日のように通った。
《鉄道員》
《第三の男》
《誰が為に鐘はなる》
繰り返し観た。
《サウンドオブミュージック》
《ウエストサイドストーリー》
《ある愛の歌》
通っても通っても、おしみなく映画が上演された。
一日に3本見ると、7時間かかる。
一週間見続けると、50時間ほど映画づけになる。
それでも、若さの特権!
映画を観続けた。
《チャップリンの短編》
小さな映画館の知らせがあれば、出かけた。
当時はネットもなく、新聞の片隅に書いてある知らせ。
そんなミニ情報をしらみつぶしに探した。
映画館といっても、30人入れば満杯の部屋。
《バスターキートンの短編》
出かける。
《ハロルドロイド》
観に行く。
なにはなくとも、東京中でかかっている映画を、
漏れなく観に行った。
勉強の為ではない。
そのすべてが面白かった。
ある意味、恵まれていたとも言える。
当時、世界中から選ばれた、
最高傑作の映画ばかりが観られたのであるから。
《十戒》 途中トイレ休憩をはさみ6時間
《ベンハー》
《大地の歌》三部作、インド映画、休憩込みで12時間だったか。
映画の楽しみは、私の中に染みついている。
ん・・?
ほんとは、もっと昔・・子供の頃かもしれない。