初めて、秋田空港に行く飛行機に乗った。
ブ~~ン
「まもなく~」
アナウンスの声に窓にへばりつく。
山並みが見える。
緑濃きあたりは、杉の植林地帯だ。
薄茶色のあたりは、落葉樹が落ち葉を散らした地帯だ。
そのグラデーションが美しい。
ん・・まてよ?
あの薄茶色の落葉樹のあたりは、
なぜパッチワークのようになっているのだろう?
そうか!
思わず、窓枠から頭をひっぺがした。
この辺り一帯は、すべて
杉の植林ではないのか!
秋田杉じゃないか!
その杉を、30~50年前に切った後に、
広葉樹が生えて、パッチワークを作ったのではないか?
っという事は、このグラデーションは、
人間が作り出した結果としての、
美術品とも言える。
え~~じゃあ結果として、自然を壊したのだろうか?
と思いながら、窓にヒタイを寄せると、
はるか彼方に、
白神山地に降ったばかりの白き雪が輝いている。
んだね、日本が誇る自然の山並みがあったネ。
白神(しらかみ)と云えば、『白神ネギ』を喰った。
トロリとぬめりがあり、実に旨かった。
鍋にすると、一段と味がきわだった。
主役の肉たちを押しのけて、
その座をおびやかしかねない存在と云えるかもしれない。
もはや『白神鍋』と題しても異論はないだろうと思ったら、
やはりというか当然というか、
『白神鍋』という料理はあった。
秋田の《ひとつい》という町に行けば、食べられる。
あとをひく味とはこのことで、
いまも・・あとをひいている。