灯台好きである。
灯台を見つけると、すぐに行きたくなる。
バス便が通じている灯台は珍しく、
たいがいの灯台は、辺鄙なところに建っている。
駐車場に車を停めて、歩き出すのだが、
おおむね、坂道を登るか下るかしなければならない。
まあまあの傾斜の距離をプラプラ歩く。
そして、岬という立地の環境どおり、風が強い日が多い。
そよ風なんて生易しいものではなく、
強風にさらされる。
海に向かって尖った岬にある灯台なんかだと、
烈風にたたかれる。
コートははためき、髪の毛は暴れまわる。
ロングヘアーが自慢な方は、きびっていくべきだ。
(*きびって・・とは、大分方言で、くくるの意味)
夕陽が傾く頃に、灯台の台座にたどりつくと、
滅多に見られない光景に出会える。
夕陽が沈む現象とは、毎日起きていることなのに、
まるで、地球がどうかなってしまったかのような、
驚きに包まれる。
フルオーケストラの交響曲が鳴り響く!
カメラを取り出し、シャッターを押し続ける。
アッチもコッチも、ソッチからも、セッチからも・・・
少しアングルを変えたり、
ちょいとズームしてみたり、
わざと逆光にさらしてみたり、
色々やってみるが、結局、
似たような赤々とした写真が、ズラリと並ぶ。
パソコンに取り込むと、
ピクチュアが燃えあがりそうである。
灯台とは、
スペクタクルな夕陽を眺める場所の代名詞である。
ゆえに、灯台守(とうだいもり)の瞳は、
夕陽焼けしているに違いない。