世の中、おのおの
シキタリがある。
その場のシキタリを知らないと、大恥をかく事になる。
本日は、その、<
理容院編>
あらら、理容院に
一度も行った事がないというあなた!
あなたが恥じをかかない為のお話ですよ。
イシマル、理容院に、40年ぶりに入った。
入りたくて、入ったのではなく、間違えて入った。
鏡の前に座るまで、
美容院だと思っていた。
五分刈りの白衣のオジサンが、鏡に写っているのを見て、
あらま<
理容院>だと気づいた。
(まあ、美容院も理容院も{
び}と{
り}の違いくらいで
おんなじだろう・・と思っていたのが大間違いだった)
髪を切る行為はそれなりに進む。
櫛でといたり、チョキチョキやったり・・
<キル>という行為は、それなりに終わった・・と思ったら、
やにわに、鏡の前を
ガバっと引っ張り出し、
『どうぞ』
とだけいって、五分刈りは、店の奥に引っ込んだ。
問題は、この<ガバっ>だ。
ガバっ・・で洗い場が現れた。そういう仕掛けになっている。
よく見ると、首が乗っけられる様な
窪みが付いている。
さあ、想像してみて下さい。
椅子に座っている、その目の前に流し台があるのですよ。
首の窪みがあるからには、
ここで洗うのでしょう。
イシマル必死で考えました。
美容院では、空を見る形、
あおむけで洗う。
じゃあ・・理容院でも同じだろう。
椅子を回転しようとスイッチを探す・・が無い。
ならば・・と顔を必死で
捻じ曲げて、流し台に乗っけようと
頑張るが90度曲げるのがやっとだ。
ええい!ままよ!
クルリと体を回したら、見事、後頭部が、
流し台の窪みにスポンとはまった。
はまった代償に、足の裏は天井を向いている。
妊婦
のお産の格好に似てなくも無い。
『あんた!何やってんの!』
五分狩りが帰って来た。
上と下でしばらく目と目があっていた。
この後、{一分一秒でも早くこの店から
去りたい}わたくしに
{一分一秒でも
置いときたい}五分狩りが
<
シキタリ>を長々と説明してくれたのでした。
「うつぶせよぉ、ね、うつぶせぇ、わかるぅ・・・