ふたたび、背中に25キロのフレームザックが担がれている。
本格的な山行きにそなえて、下半身の強化だ。
向かったのは、神社の階段。
この神社の階段は、恐ろしく急である。
人が登ることをあまり考慮していない。
忍苦とか、艱難とか、極端な言葉が浮かんでしまう。
かなり歴史のある神社なのだが、
その昔の人たちの足のサイズが、
著しく小さかったとは思えないほどの、階段幅。
26センチの私の靴がはみ出ている。
時には、靴の半分しか階段を使用していない。
危ない。
なんせ、背中の荷の重さで、身体がふらつく。
よろけたりしたら、転落だ。
集中して、一歩一歩足を進める。
そういえば、この階段。
10年以上前に、いきつけの台湾料理屋<ファファ>のママが、
神社にお参りに行こうとして、登り始め、
真ん中あたりで、体力が尽き、
通りかかった人たちに救出された場所だ。
《おとこ道》と呼ばれている。
まあ、登りはなんとかなった。
しかし問題は・・・下りだ。
登りでは、はみ出しが
カカトだったので、
脚力さえあれば、どうにかなった。
ところが、下りでは、階段の前方に宙に浮いているのは、
つま先だ。
これでは、コントロールがとれない。
試しに、アナタにやってみて貰いたい。
近くに階段があったら、
つま先を半分とび出させて降りてみてください。
(ただし、手すりをしっかりつかんだ上で)
みてくださいと言ったが、やめましょう。
決して面白くはありません。
「イシマルにそそのかされて骨折を」
病室でお見舞いの方に話しても、馬鹿にされるだけです。
登り階段
下り階段