
椎茸の《ぼたぎ》が並んでいる。
ウン万本。
ぼたぎとは、椎茸の菌を打って、
木そのものをシイタケ菌に感染させる原木のことだ。
いったん木に忍び込んだシイタケ菌は、
木の命を食いつくしてゆく。
その見返りとして、長い間、椎茸の実をつける。
実という表現は、ちとおかしい。
アレは、何と呼べばいいのだろう?
大分県は、椎茸の産地である。
昔から、椎茸が沢山栽培されている。
ぼたぎには、《くぬぎ》や《こなら》などが、使われる。
ドングリが実る樹木だ。
チェーンソーで切り倒し、1mほどの長さに切りそろえ、
立て込んでゆく。
お日様に当たると、シイタケ菌は弱るらしく、
鬱蒼とした林の中で、深緑の苔と共に生きてゆく。
シイタケ菌の力は、あなどれない。
あの重くて硬い樹木を一年ほどで、
カスカスの軽い物体に変化させる。
樹を土に返すのである。
もし、シイタケらのキノコが生えなければ、
倒れた樹木は、何年もそのまま倒れたまま。
そうなると、土に返らず、栄養が土に届かない。
新しい芽も出ていきにくい。
しいたけ様々である。
私の田舎でも、ぼたぎを何100本も立てている。
これからの季節、シイタケが溢れんばかりに採れる。
それも、毎日毎日、採れる。
食べようと思えば、毎食腹いっぱい食べられる。
しかし、シイタケだけ食っている訳にはいかない。
なんたってカロリーも何もない食品と言われている。
そんじゃ、なぜシイタケを食べるのかと問われれば、
「なんとなく・・」
としか答えられない。
毎日出てくるシイタケを、どんどん乾燥させる。
干しシイタケにして、将来に備える。
いざと云う時の為に、大量に蓄えておく。
いざという時に、カロリーも栄養もないモノを食って、
意味があるのかと、また問われれば、
「なんとなく・・」
また同じ返事をしてしまう。
どうやらシイタケは、
採っても採っても採り切れないほど出てくる楽しみの為に、
ぼたぎを並べているような気がする。