
先日訪ねた、大分県の玖珠町(くすまち)に、
珍しいモノが残っていた。
《機関車操車場》
蒸気機関車や、ディーゼル車などの、
貨車を引っ張る役目の機関車の収納庫である。
機関車を収納するには、ターンテーブルなるものが必要となる。
もしコレが無ければ、それぞれの機関車に専用のレールが要り、
広大な敷地を準備しなければならない。
そうはいかん・・ってんで、昔人がユニークなアイデアを思いつき、
扇形の操車場を造りだした。
機関車が出発する際には、円形のターンテーブルまで進み、
テーブルが回るのを待つ。
レールが進行方向に一直線になった所で、いざ、出発となる。
帰ってきた時には、その反対をやればよい。
その昔は、日本中、いや世界中に、
このターンテーブルがあったものだが、
いまやその姿を見るのは、稀である。
日本でも、私が知っているのは、京都にひとつと、
この玖珠町しかない・・ハズ。
町の周りを囲む、テーブルマウンテン(万年山や切株山)をバックに、
ターンテーブルが廻る光景・・・
その上にスックと立つ蒸気機関車・・
これほどの被写体もなかろうと思えるのだが、
訪れる人は、まばらであった。
九大線の豊後森(ぶんごもり)駅。
日田杉で造られたレトロな駅舎を出て、5分。
あまりに広大過ぎて全体像が分からないという方には、
先日私が漕いだブランコに乗る為に、
向かいにそびえる切株山(きりかぶやま)に登るがいい。
そして、気分よく漕ぎ過ぎて、ブランコ酔いをし、
私のセイにするがよい。
ついでに、映画《未知との遭遇》に出てきたデビルマウンテンも、
「同じ切株状の山仲間なのネ」
と感想をもらし、
日本の切り株は小さいのネと、
島国のこじんまり自然を愛でるのも一興かと・・・