
「鹿だ・・!」
先日、乾徳山(けんとくさん)の山中を歩いていたら、
鹿が目の前に歩いてきた。
どちらもびっくりして、立ち止まってしまった。
コッチは、そっとカメラをだして、パシャリとやっているが、
アッチはカメラ代わりに、まん丸い目玉をパチパチやっている。
おケツの毛は真っ白でピンと立っている。
この顔つき体つきが、ズルい。
猫という奴は、どんな猫でも可愛らしい。
かなりブサイクと思われる猫でも、どこか愛らしい。
そして、鹿の場合、ブサイクな奴がいない。
おしなべてほぼ可愛い。
子供のバンビに至っては、しぐさそのものが、
可愛らしさの象徴と言っていい。
ズルい。
いまや山の害獣として憂うべき存在なのだが、
このズルい可愛さゆえに、鉄砲を向けるのがためらわれる。
(私は鉄砲免許がありませんが)
猫が可愛いのは、メリットがある。
ヒトとの共同生活を、猫の祖先が長い間、築いてきた証だ。
しかし、鹿を可愛く感じて、
鹿に何のメリットがあったのだろうか?
確かに今言ったように、
鉄砲で撃たれないというメリットはあるが、
そんなの、ほんの近世の話だ。
現実に、年間相当の数が撃たれたり、罠にかかったりしている。
彼らにとって、可愛さが役に立っていない。
では、鹿を可愛く感じるのはなぜだろう?
童話や、ディズニー映画に出たからだけとは、思えない。
あのマバタキは、人を惑わす魅力に満ちている。
ところで、
牛くんも似たような顔つきをしているのだが、
彼は、たぶん・・・食べ過ぎたナ。