三浦かるた 《ち》
千葉に泳いで
行けそうな
晴れの日~~~ ~~~ ~~~
三浦半島から、千葉の房総半島まで、距離にしておよそ20キロ。
真ん中を、タンカーなどが走る、三浦水道が通っている。
晴れた日。
すぐそこに房総の山々が見える。
房総の海岸線が見える。
ところが、面白いことに、
海岸通りにある道沿いの家屋は見えない。
なぜだろう?
答えは簡単。
《地球は丸い》
いにしえから言われるこの言葉は知っているが、
近いところでは、その錯覚を思い浮かばない。
たかが20キロでさえ、地球の丸さは、
見えない部分をつくりだす。
三浦半島の波打ち際に立ち、
20キロ離れた房総の海岸の道を見ようとして・・・
はたして良く見えるのは、二階建ての家の二階部分だ。
双眼鏡で目をこらして見ると、
二階部分にある看板から上が見える。
ちなみに、かるたにQ姉妹が描いた二こぶの山は、
《冨山》とみさん 349m という双耳峰である。
千葉に泳いで行こうと考えたことはなかった。
が、ウインドサーフィンで行こうと、何度も想像した。
実際行こうと、計画もした。
もし、風が順風であれば、40分で行ける。
なんせ、20キロ余りの距離なので、
時速40キロで走れば、30分。
なにか途中問題があっても、40分で到達できる。
では、そんなに簡単に行けるなら、なぜ行かないのか?
マナー
東京湾を横断しようとすれば、
浦賀海峡という世界中の大型船が往来する場所を、
突っ切らなければならない。
たとえば、タンカーとは、長さが300m幅30m。
高さ20mを超える。
もしその巨体のブランケ(風影)に入ろうものなら、
風をたよりのウインドサーフィンは、パタリと倒れ、
抜け出せない。
やがてスクリューの餌食となる。
これはいけない。!
そんなこんなで、ウインド仲間みんなで、
「横断はやめよう!」と誓い合った。
特に、「一番行きたがる人が誓うべきだ」
と云う意味をこめて、私が私に誓った。
それでも、やはり行きたいのか、
タンカーの近くまで行って帰ってきたりした。
「行ってませんからネ~」
三浦半島の浜に舞い戻り、言い訳がましく、
タンカーの船籍名をくっちゃべったりした。
イージス艦が通過していた様子も、
解説したりした。
その後ろに、潜水艦がついて走っていたくだりに至っては、
特に熱が入るお喋りとなった。
「やっぱ、横断はダメだネ、
潜水艦の潜望鏡にでも引っかかったら激チンだもん」
東京湾内は潜水艦は浮上して通らなければならないルールがある