三浦かるた 《
つ》
月夜の晩は
海をみわたす
光る道
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夕陽が沈む頃、三浦半島の崖に立ち、東側を眺めている。
やがて、満月を過ぎたころの月が、
ゆっくりと房総半島に浮かび上がる。
すると、東京湾に、千葉からの光の道が現れる。
直線距離20キロ。
見事な一本道。
こればかりは、海岸から眺めるのと、山の上から眺めるのとでは、
光の道の規模が違いすぎる。
「おおおお~~」
ため息が漏れるのはやはり、山の上だ。
三浦半島には高い山がない。
だから、崖の上ということになる。
標高30~40m
光の道を観るには、最適な高さと言えよう。
ただし、そんな場所は街灯などない。
車を停めたところから、暗闇を少し歩かなければならない。
難儀である。
となると、三浦海岸にあるマンション群の窓から眺めるか、
その隣のキャベツ畑から眺めるのがよい。
時折、光の道を遮るように大型の船がよこぎってゆく。
10万トンクラスの貨物船だ。
日本の大動脈の東京湾の光の道は、しだいに消えてゆく。
実は、光の道を最も鮮やかに眺めるには、夜中がよい。
月は下弦の月の半月。
街の明かりも少なくなり、美しさは倍増する。
ただしそんな時間に歩き回ると、悪い人と間違われます。