「セミが鳴いている!」
驚いた。
昨日の
真夜中だった。
いや正確には、5時間前である。
時計の二つの針が、真上に来た頃、
リビングの外の樹木の中で、アブラゼミが鳴きだした。
ジィ~~~~
最初は一匹だったのだが、触発されたのか、
数匹が合唱を始めた。
夜中とはいえ、暑い。
27℃くらいある。
確かに暑いのだが、いくら暑いからといって、
真っ暗な夜中に、セミが鳴くだろうか?
セミとは、明るい時に鳴くものだと思っていたのだが、
暑いという理由で、鳴くのか?
今、暑さでも鳴くのかと言った直後に、
ふと昨日の昼を思い出した。
気象庁的には、昨日の最高気温は36℃だと発表された。
実際、温度計を日向にだすと、40℃を超えている。
そんな午前10時に、セミが鳴きをパタリとやめた。
そのまま、鳴きやんだ状態が午後2時まで続く。
いったいコレはどういうことだろうか?
夏が好きなセミが、あまりの暑さに、鳴くのをやめた。
そういえば以前、京都の撮影所でドラマのロケ中の事だ。
やはり真夏、37℃などとのアナウンスが流れる連日。
なぜか、外ロケを10時~14時に行うという。
なにもそんな暑い時に外ロケを・・・といぶかるのだが、
音声さんの話に耳をかたむけた。
「あまりの暑さに、セミが10~14時に黙るんですワ」
ドラマのロケは、季節感を出せないケースが多い。
真夏に撮ったドラマを、冬に放送したりする。
たとえば、《忠臣蔵》は、真夏に撮影し、12月に放送する。
雪のシーンは、綿を屋根にのせ、白い砂をまき、
人工雪を降らして撮影する。
40℃を超える炎天下で撮影している。
当然、セミが鳴く。
真冬のシーンにセミが鳴いていては、おかしい。
そこで・・
セミが鳴かない時間帯に、ロケをやろうというのである。
《あまりの暑さに、セミすら鳴かなくなる》
そうか!
真夜中の鳴き声・・あれは、
昼に鳴けなかったウップンを夜中にはらしていたのか!
メスへのアピールではなく、
ウップンだったのか!