
車内から何でも出てくるドラエモンのハイエースを、
持っているツッシーである。
そのツッシーには、悩みがある。
常に、身体がツルのである。
普通、ツルと云えば、ふくらはぎがツルのであるが、
彼の場合はちと違う。
もちろんフクラハギはツル。
その他に、モモ、太もも、腹筋、背筋、首、腕、
およそ全身の筋肉がツルというのだ。
キャンプで、その話をしている最中にも、
突然イスから立ち上がったりする。
何をしているのかとと言えば、
今、モモがツリかかったのだそうだ。
アハハハと笑い出したとたんに、苦しみだす。
腹筋がツッテいるのだそうだ。
フクラハギ以外はツッタことのない私なぞには、
とんと理解できない身体の構造だ。
さあ、そんな時だった。
やはり、七輪のまわりで肉を喰らっている滝田くんが、
発言をする。
「ツッタことないよ」
これまで生きてきて、一度もツッタことがないと言うのだ。
「ツラないねぇ」
自信たっぷりにイスにふんぞりかえる。
皆が、驚く。
「筋肉痛とか、あまりおきないねぇ」
そういえば、結構な山登りをしても、滝田くんの場合、
翌日、ケロっとしている。
疲労はしていても、筋肉痛になった話は聞かない。
彼が、シップを張ったり、
バンテリンを塗りたくっている姿を見たことがない。
「でもね・・」
滝田くんの言葉がつづく。
皆が、身をのりだす。
「
こむらがえりにはなるヨ」
『・・・・・・・・・・・・・・・・?』