ラグビーの試合を観ていて、いつも感心する事がある。
彼らが来ているジャージは、なんと丈夫なんだ!
一見、ティシャツである。
しかし、上着が破れるシーンを見たことがない。
今から、40年以上前には、よく破れるシーンを目にした。
しかし、現代はいかに!
2mになんなんとする大男たち。
力持ち。
握力計が振りきれる人すらいる。
フライパンをひん曲げたり、
ゴム製の湯たんぽに息を吹き込んで、
破裂させる荒業を披露したりするモノすらいる。
その彼らが、ジャージを掴んで離さない。
よほどの強度がなければ、バリバリに破れるだろう。
上着の進化に感心しながら、
ゲーム中に、私がひそかに期待していたのは・・・
『パンツが破れる』
その昔、ラグビー選手は、下着のパンツを履いていなかった。
理由は、試合中に破れるからである。
よって、
下半身は厚手の半ズボンだけをまとっていた。
(今は、インナーパンツをはいている)
その半ズボンが、時折、破れる。
当然、
中身があらわになる。
これはマズイ。
観客もその事実を知る。
女性客も大勢いる。
では、どうするか?
破れた本人を中心にして、グルリと輪をつくり、
とり囲むのである。
14人いるので、広めの着替え場ができる。
彼らは、外側を向いてとり囲む。
そこに、ベンチから替えのズボンを持った選手が走ってくる。
そして、ゴソゴソゴソ・・
むくつけき大の大人が、秘め事をしている。
観客も心得たもので、知らんぷりする者もいれば、
ピーピーと指笛をならし、ハヤす輩もいる。
格闘技ともいえる激しいラグビーの、
いにしえの、微笑ましいひとときだった。
そんな時、必ずと言ってよいほど、甲高い声が聞こえる。
誰かが連れてきた初めてラグビーを観る若き女性の声。
「ねぇねぇ、アレ何やってんの?
ねぇねぇ、中で何やってんの?
ねぇねぇ、
なかみって、なに?」