
北海道の札幌のススキノでラムを食べていたその数日後、
九州の博多にいた。
博多といえば、中洲(なかす)。
ススキノと二大歓楽街を南北で分けあっている。
さあ、何を食べようかナ・・?
夕方、中洲のど真ん中で、ぼんやり街を眺めていたら、
やはり目に入ってきたのが、
《博多もつ鍋》
食べずに帰ったら後悔するだろう。
すぐにノレンをくぐる。
いや、この表現は間違い。
ガラスサッシドアを横に開く。
こぎれいな店ではない。
なんたって、モツを食べさせるのだからして、
どこか終戦の匂いがする店構えだ。
テーブルに座るイスとて、
真ん中に穴のあいた丸椅子である。
モツを2倍の量にしてもらい、鍋を注文する。
昔ながらの丸いガスコンロの元栓をあけ、
チャッカマンで火をつける。
ボッ
銀色の鍋に入った、具材が湯気をあげ始める。
具材たって、キャベツとニラと、
肝心のモツ。
博多モツ鍋の場合、モツはすべて、ギアラ。
大阪では、アカセンと呼ばれる牛の胃袋だ。
4つある内の一つで、脂がのっており、
ジューシーな味わい。
焼いても煮ても旨い。
グラグラしたところで、箸をつっこむ。
あっという間に、ギアラがなくなる。
一人2人前は足りない。
さらに2人前オカワリ注文する。
そして、このオカワリが何度か続いたのである。
「すみませ~ん、ギアラください!」
ん・・このフレーズ?
以前にも、口に出したことがあったゾ。
《ギアラ》2007年10月16日