
昨日も、自転車で走りだす。
空から眺めた地図によると、まっすぐの道がある。
いにしえの水道の道らしい。
延々と続くまっすぐの道を、ペダルをこぐ。
こういう時、マウンテンバイクは便利だ。
パンクの心配がない。
コンクリーも、土の道も、石ころだらけも、
へっちゃらである。
こぐこと随分たった頃、川辺に出た。
そこに、のぼりが立っているではないか。
《鮎塩焼き》
川のほとりに、小さなお店が開いている。
う~む・・困った。
ダイエットを兼ねて、ペダルを踏んでいるというのに、
食い気を刺激された。
『400円から』と書いてある。
「から」とは、どういうことだろうか?
疑問が湧いたので、ついたのんでしまった。
「くださ~い」
『は~い、10ぷんほどお待ちくさだいな』
その時、もうひとつノレンを見つけた。
《甘酒》
私は、酒は好きだが、甘酒には気持ちが動かない。
興味がないと言っていい。
さあ、その時だ。
やってきたオジサンが、声高に注文をしたのだ。
「甘酒、
大盛で」
あんですと?
蕎麦大盛だの、カツ丼大盛だのはよく聞く。
・・甘酒とは大盛で、たのむものだろうか?
一応酒と名前がついているのだからして、
もっと飲みたいというのなら、
「オカワリ」すればいいのではないのか?
この御仁、風体からして、常連客とみえる。
これまで、一杯の甘酒で満足したことがなかったのだろう。
あとちょっと飲みたい。
オカワリするのはめんどくさい。
めんどくさいと云うより、恥ずかしい。
だから、最初から
多めの希望を声高に申したのだ。
「大盛で」
大盛とは、どの外食業界でも、
4割増しが相場である。
たまに、8割増しの店もあるが、
かえって喜ばれない。
人が、大盛に託しているのは、腹を満たすことだけではない。
たくさんの金額を払わずに、心が安らかになる方法として、
大盛をねだっているのである。
「ちょっとだけ多くして」
このオジサン、おねだりが通じる店を見つけたようである。
良かったネ・・
おっと、鮎の塩焼きはまだか~い。