 《バリ》という魚がいる。
九州でそう呼ばれている。
《あいご》というのが、正式名称かもしれない。
私のふるさと大分では、バリ。
背びれに毒がある。
刺されると、手がグローブほどに膨れあがる。
漁港の堤防などで釣り糸を垂れていると、
このバリがかかる。
毒がある魚は、体力がある。
身体をブルブルと振るわせ、竿をしならせ、
精一杯の抵抗をして、釣りあがる。
抵抗するあまり、釣りあげた時に、
勢いあまって、空を飛んできたりする。
ビヨ~ンと空を飛んだバリが、
その昔・・
けんじろう君の頭に着地した。
頭のてっぺんに背びれの針が刺さった。
グサッ
子供の頭のてっぺんで、
さかさまに刺さって、ピクピクしている、
バリという魚の絵面を想像してほしい。
大人の手に刺さって、
グローブのように腫れると言われた毒。
その毒針が、小学生の頭に刺さった。
近くにいた大人たちが、悲鳴をあげた。
あげていない小学生、けんじろう君の眼が裏返った。
ピクピク・・
バリの毒は強烈だった。
しかも刺さった場所が、脳のすぐ近く。
おそらく脳神経を刺激した。
どう刺激したのだろう?
以来、けんじろう君は、
せっかく生まれ持ち合わせた高度の頭脳が薄れゆき、
中途半端な頭脳に堕ちたのである。
バリによって・・・  カミキリムシ
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