
《ダイヤモンドダスト》
マイナス10℃以下に気温がさがると、
空気中のチリが凍り、それに陽の光が当たると、
キラキラ光る。
風にフワフワと舞うので、
ダイヤモンドの輝きのような煌めきをみせる。
早朝、お日様の方角を眺めていると、
キラキラを目にすることができる。
「おお~ダイヤモンドダストだぁ~!」
美しさに声を発し、カメラを取り出す。
その場でシャッターを押せば、それなりの写真が撮れる。
さらに踏み込もうと、その方向に近づいてゆく。
ところが、この行為は、間違っている。
アナタは虹と同じあやまちをおかしている。
虹が逃げるように、ダイヤモンドダストも逃げる。
虹が、太陽に背を向けるのに対し、
ダイヤモンドダストは、太陽に顔を向ける。
正確に申せば、太陽の方角に目の焦点を合わせる。
すると、
太陽と目との間に散らばるチリが光る。
その光るモノに目の焦点が合う。
よって、近づいても意味がないことになる。
ホタルのように手でつかみ取ることはできない。
南国育ちの私には、北国にでも行かなければ、
マイナス10℃は経験できないものだったのだが、
最近は、スキー場や山の上で、
かなりのマイナスを経験する。
そんなマイナスの中では、声が届きにくい。
湿度が少ないのと、足元の雪が原因だろうが、
感覚的には、
声そのものが凍り付いているような気がする。
「おお~~い」
反響が返ってこない、耳が塞がれたようなもどかしい感覚。
その分、ダイヤモンドダストで勘弁してもらっている。