
《海崖》
これ、なんと読みますか?
海のがけと書いて、(かいがい)と読む。
読んで字のごとく、海岸にそそりたっている断崖の事。
四国は徳島県から高知県につづく200キロの海岸は、
この海崖でできている。
地図をみると、その中を山道がきざまれている。
山の名前もあった。
《千羽ガ岳》せんばがだけ 245、3m
日和佐町(ひわさまち)から歩き出す。
いわゆる崖の稜線をひたすら辿ってゆく。
200mほどの高さの崖が、延々とつづく。
稜線では、常に上がったり下がったり、
それもかなりの急坂。
崖の随所に展望台が設けられており、
おしりがムズムズする景観にさらされる。
特に最高点の千羽ガ岳にも展望所がある。
そこに立って、下を見おろすと、面白い事が分かる。
標高とは海抜の事である。
海抜とは、潮の満ち引きの平均した状態からの、
垂直距離である。
この頂上が245、3mと記されていれば、
今見える海からの標高差が、245、3mだと理解する。
いや、はっきり感覚的に、
標高差を実感できるのである。
ふだん、山で標高差を知ろうとしても、誤差がありすぎて、参考にならない場合が多い。
しかし、海のすぐそば、それも断崖の上からなら、
正確な標高差が示されている。
しかも、《245,3m》だと、
小数点以下まで書いてくれている。
そんな場所は、海崖の上にはそうそうない。
よし、私の地球的な上下の差の中で、
245、3mだけは、はっきりと認識できた。
今後、どこかの高層ビルの屋上に立った時、
それより高いか低いかは、
言葉に出して言える自信がついた。
よし、まず池袋のサンシャイン60に、
行ってみようではないか!

すぐ横が断崖なのに、いがいと安全な山道